2016年01月30日

暖房のないホテル

25日から仕事を兼ね、台湾に行って来た。

目的は2つ、ひとつは仕事、2つ目は正月から続いている。自分のルーツを求めである。


人間、墓場が近づくと、自分を誰でもが振り返り、この歳になっても、自分って何者なのか振り返る時がある。

正月、自分が育った武蔵野に行った。今回は仕事の機会があったので、台湾に5日間行って来た。


桃園国際飛行場に降り立ち、まず、感じたことは「寒い!」

40数年ぶりの寒波が襲っている。寒い!気温4度、500メートル以上の山は雪景色だと地元テレビは伝えている。

亜熱帯、北回帰線以南は熱帯の台湾のホテルには暖房器具が殆どない、エアコンも冷房ばかり、ホテルの室内は寒い、布団や毛布に包まるしか、暖が取れない。2年前体験した中国の白龍国際空港ほどではないが、寒い!


 私の父は台湾の台中で生まれ、大学時代は東京で過ごすが、それ以外は台湾でそだった。大学卒業後は中央官庁のキャリアとして、総督府で終戦まで働いていた。母親は台南生まれ、中高と台湾の名門高等女学校で学んだ。彼女は引き揚げまで、日本国内に住んでいなかった。


私は4人兄弟の末っ子、上の三人は台北生まれ、戦後に生まれた私だけが国内産である。勿論、私の家族は中国人でも、台湾人でもない。日清戦争で台湾が日本に併合された時、私の両親の父は、すなわち、祖父らは役人として、台湾に赴任した。そして、父母が生まれた。


台中は父が生まれ、育ったところ、台南は母が生まれ、幼少時代を過ごしたところ、まだ、両親が生きていた頃、一緒に訪れたことがあった。今回もその記憶をもとに旅をした。とくに、母が女中とよく遊びに行った、オランダ城郭跡の記念館に行った。懐かしかった。

そして、彼女が学んだ、台北第一高等女学校(現在、台北市立第一女子高級中学)を見学、そばにある父が勤務していた総督府観てきた。


父母、祖父母みな優秀、父方は鍋島藩の蘭学医の家系、その重みで子どもの頃、家系が嫌であったが、メンデルの法則を学び、優性同士でも、31の割合で劣性も生まれる。

開き直り、劣性で何が悪いのか、と思うようになってから人生楽である。


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2016年01月21日

不登校, 国の専門家会議,はなはだ疑問!

平成278月に出た文科省の「不登校に関する調査研究協力者会議」の中間報告を読み返している。

不登校児童生徒を支援する機関である教育支援センターは,全国で平成5372箇所、平成181164箇所、平成251286箇所であり、利用状況平成58.0%、平成1813.0%、平成2512.0%となっている。


不登校問題で一番問題なのは、公的機関、フリースクール等の民間教育施設、相談施設に児童生徒及び保護者が行かないことである。それは、怠けているのではなく、不安や緊張して行けない心理的な問題もあるが、行く魅力がない、行っても、話を聞くだけで何の回答も得られないと利用者の不満を良く耳にする。


不登校の児童生徒らの多くが様々な問題を抱え、外出できないのが本質的な問題である。

そこをどう解決するか?


文科省は、今後はアウトリーチの手法を用いて、受け身ではなく、出向く支援になるという。でも、はたして上手くいくか少々疑問である。


なぜなら、タイプ別に考え、最近急増している「無気力型」には、達成感や充実感を繰り返し味あうことで自己有用感・自己肯定感を上昇させ、登校につなげるとしているが、はたして、めんどうくさい・かったるい人が、その土俵にのるか、限りなくゼロに近い。


「遊び・非行型」には、決まり事を守らせるき然とした教育的な指導というが、背景に、親のネグレクト、虐待、生活困窮、いじめがあることも多く、その辛さを体験している子ども達には通用しない、一昔前の手法である。


生活リズムの乱れた子の多くが、親の仕事が9時から5時の仕事ではなく、親と夕食を一緒に食べれない子が、寂しさのあまりネットゲーム依存になることも多いからそう簡単にはいかない。


いずれにせよ、不登校の子ども達の心理を充分に理解しない表面的な対応といえる。

また、無関心は親だけでない、教育支援センターの設置状況は730箇所の自治体(全体の約40%)が設けてない。


まだまだ、不登校に対する理解が進んでない。

不登校はやがてひきこもりになり深刻な社会問題に発展する。

posted by 牟田武生 at 21:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月15日

44年前の思いで!

昨日、富山国際会議場で開かれた内閣府主催の「青少年育成支援機関に関する中部ブロック連携会議のコーディネーターを務めた後、宇奈月自立塾に戻り朝を迎えた。


115日(旧成人の日)は、私にとっては誕生日以上の特別な日である。

私が主宰する「教育研究所」(その後、NPO法人教育研究所と名称を変更)を開くために、当時24歳の私が横浜市磯子区洋光台3丁目に引越し、居を構えた日である。

あれから早いもので44年が経過した。


今でいう学習塾のようなもので、近所の子ども達に交じって、長欠児(不登校の子)が教育相談と遅れた学習を取り戻しに来ていた。

(詳しくは池上彰が聞く、僕達が学校に行けなかった理由 20036月オクムラ書店発行を読んでください。対談で掲載)


当時、私は一応教育心理の研究者であった。

臨床から学びたいという本音があった。その当時、長欠児の家庭訪問(今でいうアウトリーチ)を研究所の傍ら行っていた。

研究所では、知能検査、学力検査、心理検査を全員に行い。知能検査では素点と教育点の比較を行い。知能と学力の相関を調べ、大きな乖離(かいり)がある場合には、心理検査でなぜ乖離が見られるのか、学習支援だけではなく、本人と保護者の面接を毎月行っていた。


教育は他人との競争(学校の成績)ではなく、その子が持っている能力をどう引きしてあげるかが、一番大切なものであると考えていたからである。そして、長欠児と普通の児童生徒の違いについて探っていた。


また、読解力の乏しい子はなぜ力がないのか、語彙数、言葉の並べ替え、短文を作れるか、その上、本を読み、知識を蓄える力をどうつけるのかを考えるために、私は小中学生に論理という教科を作り、週一回、教えていた。


言葉の数が不足している子には、保護者との会話の中に、その子のボキャブラリーよりちょっと上の言葉を使い、言葉の数が増えるように保護者を指導した。優しい保護者は、子どもが分かるように優しい言葉だけで話すので、その能力がつかないこともわかってきたので、あえてそのような指導を行った。そして、半年に一度は、知能検査を行い検証した。


無論、他の先生方は算数・数学、英語などの教科を教えていた。

論理という教科は、教科と教科の連携や思考力・表現力をつける教科と考えて頂ければよい。


私が当時、やっていた、ほんの一部であるが、紹介する。

小学5年生程度の子どもを5から6人でグループを作り、りんごを1つ机の上に置き、観察してもらう。

表現の仕方は2通り、観察文とそのりんごから連想できる、物語文である。

観察文では、写生のごとく、注意深く観察してもらい、大きさ、色具合、傷、等を文章化して表現する。それを1週間後、本人以外の子がその文を読み、実際にりんごの絵を描いてもらう。


また、物語文ではりんごを見て、ものがたりを想像して童話を作ってもらった。

観察力や想像力が育つと、自宅から1リットル入りの飲んでしまった紙牛乳パックをもってきてもらう。明治だったり、森永だったり、たかなしだったり、生協牛乳だったり、色々集まる。そのからパックに水を入れ観察する。そして、容積を測るために、たて、よこ、高さを測り、掛け算し、本当に1000CC1000ml)なるか、計算する。しかし、みんな、計算するが、1000にならない。990とか991になる。


どうしてそうなるのか考えてもらう。

なかには、牛乳屋がいんちきしている。頂上の三角形の中に牛乳が入っているのではないか、それなら、新しい牛乳パックを用意して、針で穴をあけ、実際に入っているか調べてみる。入っていない。


おかしい、やはり、牛乳屋はだましているんだと、みんな口をそろえていう。メスシリンダーをもってきて測る。すると、1000CCぴったり、牛乳屋さんだましてないね、どうしてそうなるのか、また、みんな牛乳パックを凝視する。


一人の子が「わかった!牛乳パック、直方体ではないんだ、しもぶくれでお父さんの腹のように膨らんでいる、その中に牛乳が入っているんだ。と、答える。正解である。


そこに気がつかず、みんなが牛乳屋さんをやったら、会社が潰れるね、と、他の子が言う。そして、数学の先生にしもぶくれのところを計算する方法を教えてもらおうと、誰かが言いだす。


小学6年生は、卒業論文を書く、原稿用紙40枚みんな挑戦する、そしてみんな書ける、みんなの書いた物を作品集にして、卒業記念にする。

自信が付き、長欠児も中学には、みんなと同じように通学し始める。

これは、ほんの一部だが、色々なことをやった。


それが、文部省にもやがて、認められ、民間教育施設では第一号の出席を認められた施設になり、今の適応指導教室の一部、雛型になった。

創立50年までには、それらの指導記録をまとめたいと思っているが、時間がない。また、それを本にしてくれる出版社が現れるかである。


posted by 牟田武生 at 06:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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